片づけやすい部屋づくりのコツ
「何をどれくらい持っているか」「それをどこで使うのか」は、ご家族によって様々です。持ち物のサイズに合う収納を使う場所に十分用意すれば、片付けやすくなります。3割位空くように計画して、生活の変化や頂きものなどに対応できるようにしておくのが理想です。手の届く範囲に、物が前後にならないように置ければ、整理しやすくなります。
生活に合わせた位置に収納用の小部屋を
衣類の多いご家庭には…
衣類の多いご家庭では、ウォークインクローゼットが人気です。
ご家族全員分を1部屋にまとめて、洗濯・物干しの近くに計画することもあります。
おしゃれなご家族の寝室。壁一面の収納は床から天井までのすっきりした引き戸にしています。
その奥には廊下からも出入りできるウォークインクローゼットがあります。気密性は高くないので、大切な衣類は家具に仕舞って頂いています。
寝室の壁一面を布団と服を仕舞う押入れにしています。
扉にかかるコストを節約してシンプルなカーテンで隠しています。
食品のストックが多いご家庭では…
食品のストックが多いご家庭では、キッチンのそばにパントリー(食品庫)があると便利です。
缶詰や飲料など奥行の小さいものが多いので、小さな部屋でも十分です。レンジや釜などの家電類や冷蔵庫をパントリーに入れて、LDKをすっきり見せることもあります。
外で使用するものが多いご家庭では…
靴、アウトドア用品、自転車、スポーツ用品、ガーデニング用品など、泥付きのものが多いご家庭では、玄関脇にシューズインクローゼットをつくるのがおすすめです。
玄関脇に吊戸棚を作り、その下で普段履きの靴を乾かしています。正面壁の小棚は、捺印や小物を置くのに使っています。
吊戸棚と小棚の間から、シューズインクローゼットへ出入りしています。
家族用の玄関にしているシューズインクローゼット。左の壁に傘掛けバーを、正面の壁にベンチを付けています。
お客様用の玄関は正面壁の向こうにあり、引き込み戸で間仕切りできるようにしています。
右奥にシューズインクローゼットがあり、家族用の玄関にしています。右の本棚手前で廊下に合流します。
キッチンも近いので、パントリ―としても使っています。
隙間を利用した作り付け収納
収納にスペースを割けなくても、隙間を利用すれば収納力がアップします。
階段下
階段の下を収納にする場合、奥行が深く高さは低いので隅々まで使えないこともあります。階段の両側から使える間取りなら、隙間なく便利に使えます。
廊下沿いの書斎と畳室の間に階段がある間取りです。階段下は、書斎の側を本棚に、畳室側を布団と子どものおもちゃ入れにしています。
すっきりと見えるように、扉は階段に合わせた形にして、取っ手はつけずに上端に手掛けを彫り込んでいます。
畳コーナーの下
リビングの隣に畳のコーナーをご希望される場合、椅子に座っている家族と畳で床座りしている家族の目の高さが合うように、畳のコーナーを他の床よりも30cm位上げることがあります。その下は高さが低くて面積は広いので、引き出しにすると隙間なく便利に使えます。
隙間なのに大容量なので、おもちゃや羽織るものなど、リビングで日々使うものを仕舞うのに重宝します。
壁の厚み
屋内の間仕切りで構造を支えていない壁の中は隙間になっています。洗面所やトイレや廊下など、壁の多いところがねらい目です。
玄関脇の廊下に、壁の厚みを利用した文庫本棚を作りました、出勤時に、今日は何を読もうかなと選んでいます。
奥行がちょうど良いので、棚の上に埃が積もりにくいのも嬉しいところです。
扉のない収納は、統一感を持たせると片付いて見えます
作り付け収納に扉をつけないこともあります。コストを抑えられるという利点があるのですが、無造作に物を置いてしまうと折角片づけても雑然とした印象になってしまいます。同じ色やテイストの箱に入れたり、サイズを揃えるなど、統一感を持たせるとすっきりします。
日用品、おもちゃ、資料など、多種多様なものをすっきり仕舞うために、7割位の物を安価な段ボールのケースに入れています。
家族みんなが片づけやすいように、ケースに付箋をつけています。
ガラス戸の収納も雑然としてしまいがちです。ベッドの脇を壁一面の本棚にしたこの家では、ガラス戸を半透明にして中の本が目立たないようにしています。
透明のガラス戸にした2段には、装丁の美しい本を飾っています。